症例報告
上行結腸癌切除後の転移性膵頭部癌の1切除例
小竹 優範, 森田 克哉, 中田 浩一, 俵矢 香苗, 藤森 英希, 吉野 裕司, 小泉 博志, 伴登 宏行, 村上 望, 山田 哲司
石川県立中央病院一般・消化器外科
症例は73歳の男性で,2000年9月に上行結腸癌にて右側結腸切除の既往あり.2003年10月胆嚢炎疑いにて当科紹介となり,CTで膵頭部に濃染不良の3.6 cm大の腫瘤を認め,MRCPで下部胆管・膵管が閉塞し総胆管・主膵管の拡張を認めた.血管造影で下膵十二指腸動脈の強い屈曲・蛇行と濃染像を認め,FDG-PETで膵頭部の腫瘤に強いFDGの集積を認めた.以上より,転移性膵頭部腫瘤の診断で膵頭十二指腸切除術を施行した.切除標本は十二指腸乳頭部,膵頭部に5.5×4 cm大,2型の腫瘍を認め,病理組織学的所見では中分化型腺癌で,大腸・膵臓ともにCK7で陰性,CK20で陽性を示し,大腸癌の膵頭部転移と診断した.術後経過は良好で,術後26日目に退院した.大腸癌の膵転移切除例の本邦報告例は自験例を含め12例であったので報告する.
索引用語
metastatic pancreatic carcinoma, pancreatic tumor, colon cancer recurrence
別刷請求先
小竹 優範 〒920-8530 金沢市鞍月東2-1 石川県立中央病院一般・消化器外科
受理年月日
2004年11月30日
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