症例報告
FDG-PETで集積を認め悪性が疑われた後腹膜発生Castleman's diseaseの1例
貝羽 義浩, 黒川 良望, 明神 崇仁, 安斎 実, 井上 宰, 二瓶 義博, 海野 賢司, 阿部 高明*, 谷山 佳弘*, 里見 進
東北大学移植・再建・内視鏡外科, 同 腎・高血圧・内分泌科*
症例は60歳の女性で,2003年9月より右季肋部痛があり,近医での超音波検査にて後腹膜腫瘤を指摘され,当科紹介となった.腹部CTで,後腹膜に7×4 cm大の造影効果のある境界明瞭な腫瘤を認め,MRIでは,T1強調像,T2強調像ともに等信号を示した.腫瘍マーカーはNSEが高値を示した.また,FDG-PETにて腫瘍部に一致して集積を認め,悪性腫瘍が疑われたため,2004年1月,腫瘤摘出術を施行した.病理組織診断はhyaline-vascular typeのCastleman's diseaseであった.後腹膜発生のCastleman's diseaseはまれであり,また特徴的な画像所見がないため術前診断は困難である.また,術前のFDG-PETで集積が認められ,悪性腫瘍との鑑別も難しいため,診断と治療を兼ねた摘出術が必要であった.
索引用語
Castleman's disease, FDG-PET, retroperitoneal tumor
別刷請求先
貝羽 義浩 〒980-8574 仙台市青葉区星陵町1-1 東北大学病院移植・再建・内視鏡外科
受理年月日
2004年11月30日
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