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第38巻 第5号 2005年5月 [目次] [全文 ( PDF 445KB)]
症例報告

十二指腸結腸瘻を伴う横行結腸癌の1例

丸山 常彦, 野末 睦, 青柳 啓之**, 福江 眞隆**, 今村 史人**

総合守谷第一病院外科, 庄内余目病院外科, 筑波記念病院外科**

 症例は70歳の男性で,黒色便を主訴に受診した.血液検査で貧血があり,腫瘍マーカーの著明な上昇を認めた.上部内視鏡検査で十二指腸下行脚に2型の腫瘍を認め,生検で中分化腺癌であった.CTで十二指腸下行脚の右側壁を中心に腫瘍を認め,横行結腸と連続している所見が認められ,また,脾臓にも腫瘍を認めた.注腸造影X線検査で横行結腸の肝彎曲部で完全閉塞を認めた.血管造影で腫瘍の栄養血管は中結腸動脈からの枝で構成されており,横行結腸癌が強く疑われた.膵頭十二指腸切除術,右半結腸切除術,脾臓摘出術を施行した.術中に肝腫瘍も認め,肝部分切除術も施行した.横行結腸に2型の腫瘍を認め,十二指腸結腸瘻および脾転移,肝転移を伴う横行結腸癌と診断した.腹膜播種性転移,肝転移により術後30か月に癌死となったが,根治性の高い手術を施行することにより長期生存が期待できると考えられる.

索引用語
colon cancer, malignant duodenocolic fistula, pancreaticoduodenectomy

日消外会誌 38: 555-559, 2005

別刷請求先
丸山 常彦 〒302-0102 守谷市松前台1-17 総合守谷第一病院外科

受理年月日
2004年11月30日

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