症例報告
血流に富み癌を否定しえなかった炎症性胆嚢ポリープの1例
岡村 圭祐, 富山 光広, 鈴置 真人, 近藤 哲*, 加藤 紘之*
清田病院外科, 北海道大学大学院医学研究科腫瘍外科*
症例は77歳の女性で,肝機能障害の精査目的に当院へ入院した.超音波検査にて,16 mmの胆嚢隆起性病変が発見され,同病変はカラードプラ上,拍動波を有していた.また,造影CTで強くenhanceされ,さらに血管造影上濃染像を示したことから豊富な血流を認める隆起性病変であると判断した.癌との鑑別が困難であり開腹胆嚢摘出術を施行した.組織学的には間質に豊富な血管が存在し,炎症性細胞の著しい浸潤が認められたが悪性所見はなく,最終的にコレステローシスを合併する炎症性胆嚢ポリープと診断した.本症例では,血流は豊富で癌との鑑別に苦慮したが,最高血流速度がその鑑別に有用であることが示唆された.なお,本症の成因には,コレステローシスの関与の可能性があった.
索引用語
inflammatory polyp, gallbladder, ultrasonic doppler flowmeter
別刷請求先
岡村 圭祐 〒004-0831 札幌市清田区真栄1条1丁目1-1 清田病院外科
受理年月日
2005年1月26日
|
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|