症例報告
上行結腸に発生した扁平上皮癌の1例
寿美 哲生, 望月 眞1), 鈴木 芳明, 高木 眞人, 青木 利明, 葦沢 龍人, 冨岡 英則, 森 康治2), 勝又 健次2), 青木 達哉2)
東京医科大学八王子医療センター消化器外科, 同 病理1), 東京医科大学外科学第3講座2)
上行結腸に発生した扁平上皮癌を経験したので報告する.症例は51歳の男性で,下腹部痛を主訴とし,精査の結果,多発肝転移を伴う上行結腸癌と診断し,結腸右半切除術を施行した.標本全割による病理組織学的所見では,腺腫成分は認めたが,腺癌成分は認めず,角化像を認めたため,中分化型扁平上皮癌と診断した.第27病日に退院となったが,第65病日に悪液質により死亡した.本疾患の発生については,腺腫成分を伴っていることより,腺腫よりの発癌が示唆された.本疾患は発見時すでに遠隔転移を来している症例が多いため予後不良であり,集学的治療の改善により成績の改善が期待される.
索引用語
squamous carcinoma, colon cancer
別刷請求先
寿美 哲生 〒193-0998 八王子市舘町1163 八王子医療センター消化器外科
受理年月日
2004年12月17日
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