症例報告
胆管癌術後に孤立性脾転移を来した1例
塚原 明弘, 遠藤 和彦, 林 香織, 坂本 薫, 三井 匡史, 長谷川 潤, 木村 愛彦
秋田組合総合病院外科
症例は75歳の男性で,平成14年6月下旬に中部胆管癌に対して胆管切除術,胆嚢摘出術,肝管十二指腸吻合術を施行した.病理組織診断は中分化型管状線癌,pT2(ss,pHinf0,pPanc0,pPV0,pA0),pN0,H0,P0,ly1,v1,fStage II,pHM0,pDM0,pEM1であった.外来にて経過観察していたところ,平成16年6月にCEA,CA19-9の上昇を認めた.腹部CTにて脾下極に径25 mmの低吸収域を認めたため,7月下旬に脾臓摘出術を行った.病理組織学的には胆管癌の脾転移の診断であった.術後経過は特に問題なく退院となった.現在再発など認めず,外来通院中である.本邦において胆管癌術後の脾転移の報告は認められず,文献的考察を加えて報告する.
索引用語
bile duct carcinoma, splenic, metastasis
日消外会誌 38: 1457-1461, 2005
別刷請求先
塚原 明弘 〒011-0948 秋田市飯島字西袋1-1-1 秋田組合総合病院外科
受理年月日
2005年3月30日
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