症例報告
放射線化学療法で6年間CRが継続している再発性胃癌の1例
藤井 雅和, 沖野 基規, 藤岡 顕太郎, 山下 勝之, 濱野 公一*
小野田市立病院外科, 山口大学第1外科*
症例は67歳の男性で,主訴は検診での異常.平成9年11月に検診の胃内視鏡検査で胃体下部大彎側に2型の胃癌を認め,平成10年1月に幽門側胃切除術,D2郭清,Billroth II法再建が施行された.進行度はmp,n2,H0,P0のstage IIIAであった.術後療法としてUFT 300 mg/日が投与された.術後1年目のCTで,30×25 mmの傍大動脈リンパ節の腫大を認め,CEAは207.2 ng/dlと上昇していた.胃癌の再発の診断で,平成11年2月に当科入院,放射線化学療法が施行された.放射線照射は計30 Gy施行し,同時にlow-dose cis-diammine dichloro platinum(以下,CDDP)+UFT療法が併用された.治療開始約1か月半後のCTでpartial response(以下,PR)と判定された.平成11年6月にCEAが陰性化し,CT上明らかなリンパ節を認めず,complete response(以下,CR)と判定された.その後,現在まで約6年の間CRが継続している.本症例は限局性再発であったため,CDDPを用いた放射線化学療法のよい適応であると考えられた.
索引用語
radiochemotherapy, ascites by peritonitis carcinomatous, paraaortic lymph node metastasis
別刷請求先
藤井 雅和 〒756-0094 小野田市東高泊1863-1 小野田市立病院外科
受理年月日
2005年6月22日
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