症例報告
十二指腸乳頭部原発小細胞癌(内分泌細胞癌)の1切除例と文献報告例の検討
小林 隆, 照屋 正則, 清水 誠一郎*, 伊藤 精彦, 三木 健司, 小林 薫, 森田 恒治
公立昭和病院外科, 同 病理科*
症例は73歳の女性で,食欲不振・黄疸・発熱を主訴に入院となった.精査にて,Vater乳頭部の低分化腺癌と診断され,膵頭十二指腸切除術・リンパ節郭清(D2)を施行した.免疫組織化学的検索にて,NSE・CD-56・synaptophysin・chromogranin Aが陽性,Grimelius染色でも陽性で,胆道癌取扱い規約に従い小細胞癌(内分泌細胞癌)と診断した.術後6か月目に施行したCTで肝門部再発を認めたため,本人に化学療法を薦めたが同意が得られなかった.その後,肝臓への浸潤が急速に進行し術後10か月目に肝不全にて死亡した.十二指腸乳頭部原発小細胞癌(内分泌細胞癌)の本邦での報告は自験例を含め34例と少ないものの,術後急速に転移・進行する極めて悪性度の高いものとする報告が多い.本邦報告例とともに文献的考察を加え報告する.
索引用語
small-cell carcinoma, endocrine cell carcinoma, the ampulla of Vater
別刷請求先
小林 隆 〒187-8510 小平市天神町2-450 公立昭和病院外科
受理年月日
2005年6月22日
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