症例報告
坐骨ヘルニアの1例
今村 直哉, 島山 俊夫, 末田 秀人, 河埜 喜久雄, 春山 幸洋, 千々岩 一男*
宮崎市郡医師会病院外科, 宮崎大学医学部第1外科*
症例は83歳の女性で,前医でイレウスと診断されイレウス管を挿入されたが症状改善なく,イレウス管造影で小腸の完全閉塞を認めたため,当院に転院となった.腹部CTで骨盤外に脱出する小腸を認め,骨盤底ヘルニアによるイレウスと診断し緊急手術を施行した.右坐骨孔に回腸がRichter型に嵌頓しており,これを解除.腸管は壊死に陥っておらず腸切除は行わなかった.ヘルニア門は卵管間膜を縫着して閉鎖した.術後経過はおおむね良好で術後第23病日に軽快,前医に転院した.坐骨ヘルニアは非常にまれな疾患であり,文献検索にて世界で77例の報告しかみない.今回,我々の経験した症例を提示し,文献的考察を加えた.
索引用語
sciatic hernia, ileus
別刷請求先
今村 直哉 〒880-0834 宮崎市新別府町船戸738-1 宮崎市郡医師会病院
受理年月日
2005年6月22日
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