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第39巻 第1号 2006年1月 [目次] [全文 ( PDF 512KB)]
症例報告

Meckel憩室と虫垂の癒着によって形成されたバンドが原因となったイレウスの1例

松原 秀雄, 堀 明洋, 山口 洋介, 澤崎 直規, 岡田 洋介, 垣内 洋1), 瀬尾 孝彦2)

岐阜厚生連久美愛病院外科, 同 病理1), 名古屋大学小児外科学教室2)

 症例は84歳の男性で,平成15年1月初旬に嘔吐と腹部膨満が出現,近医で腸閉塞と診断されて当院へ紹介され,入院となった.開腹手術歴なし.腹膜刺激症状を認めず,イレウス管で保存的に治療を行った.3日後,腸閉塞は改善され,イレウス管造影検査で腸管の通過障害を認めなかった.小腸の一部に不整な溜まりを認め,Meckel憩室の存在を疑ったが,本人が高齢で,合併疾患もあることから経過観察する方針とし,1月中旬に退院.しかし,翌日に再びイレウスを発症し,再入院.胃管で減圧し,1日補液を行い手術を施行.イレウスの原因を検索すると,Meckel憩室と虫垂の先端同士が癒着してバンド状になったループに小腸がはまり込み,内ヘルニアとなっていた.小腸に異常はなかったため,虫垂切除術を施行後にMeckel憩室を楔状切除した.経過は良好で,術後11日目に退院した.現在までイレウスの再発を認めていない.

索引用語
ileus, Meckel's diverticulum, appendix

日消外会誌 39: 100-104, 2006

別刷請求先
松原 秀雄 〒466-8550 名古屋市昭和区鶴舞町65 名古屋大学医学部大学院医学系研究科病態外科学器官調節外科

受理年月日
2005年6月22日

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