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第39巻 第2号 2006年2月 [目次] [全文 ( PDF 664KB)]
症例報告

鉄剤により腐蝕性食道潰瘍穿孔を生じた1症例

中島 真也, 江藤 忠明, 佛坂 正幸, 甲斐 真弘, 秋山 裕, 千々岩 一男

宮崎大学医学部第1外科, 同 第2病理

 鉄剤によるまれな上部食道潰瘍,穿孔例を経験したので報告する.症例は21歳の女性で,鉄欠乏性貧血で処方されたフェロ・グラデュメットの内服後に頸部痛を訴え前医を受診した.ガストログラフィンによる透視で頸部食道から造影剤の漏出を認め食道穿孔が疑われ,当科に紹介された.CTでは頸部から後腹膜に及ぶ気腫を認めた.食道内視鏡検査では頸部食道に埋没した赤色の錠剤と膜状の変性した組織を認めた.内視鏡下食道異物除去術および上縦隔ドレナージ術を施行した.錠剤摘出部には深い潰瘍を認め穿孔部位と診断した.術後に食道狭窄を生じたためバルーン拡張術を要した.病理組織学的には傷害された上皮に食道webを示唆する膠原線維の増生があり,以前より嚥下困難と鉄欠乏性貧血があったことからPlummer-Vinson症候群が発症に関わっていたと推測された.鉄欠乏性貧血患者に鉄剤を投与する場合は,嚥下困難の有無について注意深く問診することが重要である.

索引用語
esophageal ulcer, perforation, iron tablet

日消外会誌 39: 147-152, 2006

別刷請求先
千々岩一男 〒889-1692 宮崎郡清武町大字木原5200 宮崎大学医学部第1外科

受理年月日
2005年7月27日

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