症例報告
原発性硬化性胆管炎(限局型)の2例
鳥 正幸, 仲原 正明, 赤松 大樹, 水谷 伸, 吉留 克英, 上島 成幸, 中尾 量保, 辻本 正彦*
大阪警察病院外科, 同 病理*
原発性硬化性胆管炎(primary sclerosing cholangitis;以下,PSC)は病変の存在部位からびまん型,限局型に分類されしばしば診断と治療に難渋する.限局型の中には悪性合併症例もあり手術適応の判断は難しい.症例1は限局型,37歳の男性で,胆嚢ポリープ検査中左葉胆管の拡張認め悪性を否定できず左葉尾状葉切除術を施行.組織学的にもPSCと診断された.症例2は限局型,63歳の男性で,主訴は体重減少,黄疸.CTなどで肝門部に腫瘍を認め,percutaneous transhepatic biliary drainage(PTBD)時の胆汁細胞診でclass V.胆管癌の診断のもと拡大右葉切除術を施行.組織学的に主病巣はPSCで粘膜内癌が併存していた.2症例とも術後経過良好で再発の兆候を示さなかった.限局型には積極的な手術が考慮されるべきであると考えられた.
索引用語
sclerosing cholangitis, cholangioma, direct cholangiogram
別刷請求先
鳥 正幸 〒543-0035 大阪市天王寺区北山町10-31 大阪警察病院外科
受理年月日
2005年7月27日
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