症例報告
胆嚢カルチノイドの1切除例
石川 忠則, 溝渕 俊二1), 岡崎 泰長1), 松本 康久1), 竹内 保2), 笹栗 志朗1)
防府消化器病センター, 高知大学医学部呼吸・循環・再生外科1), 同 腫瘍病理2)
症例は64歳の女性で,高血圧症で近医通院加療中,スクリーニング目的で腹部エコー施行され,胆嚢結石とポリープを指摘された.腹部超音波で胆嚢頸部に径約1.0 cmのiso-echoicな腫瘤影を,T1強調MRIでは,表面凹凸不整を示すiso-intensityな腫瘤影を認めた.腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し,術中迅速病理診断で,胆嚢癌と診断されたが,固有筋層への浸潤は明らかでなく,手術を終了した.病理組織学的に,病変は粘膜直下に存在し,比較的核の大きさがそろった類円形ないし長円形細胞が索状,リボン状構造を呈しながら増生し,腫瘍細胞は,Grimelius,chromogranin A染色陽性で,胆嚢カルチノイドと診断した.術後12か月の現在,明らかな再発を認めていない.
索引用語
carcinoid tumor, gallbladder
別刷請求先
石川 忠則 〒747-0801 防府市駅南町14-33 防府消化器病センター
受理年月日
2005年9月28日
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