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第39巻 第2号 2006年2月 [目次] [全文 ( PDF 519KB)]
症例報告

十二指腸に穿破,出血し緊急膵頭十二指腸切除術を施行した膵仮性嚢胞の1例

津谷 康大, 久保 義郎, 棚田 稔, 柿下 大一, 沖田 充司, 野崎 功雄, 南 一仁, 青儀 健二郎, 栗田 啓, 高嶋 成光

独立行政法人国立病院機構四国がんセンター外科

 症例は27歳の男性で,突然の吐血でショック状態となり搬送された.初診時Hgb 3.8 g/dlと高度の貧血を認めた.腹部CTでは膵頭部に約5 cmの嚢胞性病変を認め,また膵体部から尾部にかけ石灰化が存在し,慢性膵炎の像であった.入院中突然の下血を認め,緊急上部消化管内視鏡検査を施行した.十二指腸下行脚は壁外性の圧排を受け,その中心部は壊死に陥り,同部位より持続性の出血を認めた.出血のコントロールは困難であり,緊急で開腹手術を施行した.術中所見では膵頭部に嚢胞性腫瘤を認め,周囲は浮腫状であった.膵仮性嚢胞の十二指腸穿破による出血と診断し,膵頭十二指腸切除術を施行した.病理組織学的検査では膵仮性嚢胞であり主膵管との交通も認めた.術後経過は良好で,第18病日に退院した.膵仮性嚢胞の消化管への穿破はまれであり,特に十二指腸への穿破の報告は少ないが,嚢胞が原因となる出血により急激な経過をたどることもあり,注意が必要と思われた.

索引用語
pancreatic pseudocyst, gastrointestinal bleeding, pancreaticoduodenectomy

日消外会誌 39: 232-236, 2006

別刷請求先
津谷 康大 〒731-4311 安芸郡坂町北新地2-3-10 済生会広島病院外科

受理年月日
2005年9月28日

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