症例報告
S状結腸癌術後の異時性孤立性脾転移の1例
山本 直人, 五代 天偉, 塩澤 学, 赤池 信, 杉政 征夫, 武宮 省治, 利野 靖1), 今田 敏夫2)
神奈川県立がんセンター消化器外科, 横浜市立大学医学部第1外科1), 横浜市立大学市民総合医療センター2)
症例は75歳の女性で,1997年1月にS状結腸癌に対して切除術を受けた(well,se,ly1,v0,n0;Stage II).術後,追加治療せず外来経過観察としたが,2002年11月より血清CEA値の上昇を認め,2003年3月の腹部CTで脾臓に4×2 cm大の腫瘤像が確認された.全身F-18 fluorodeoxyglucose positron emission tomographyでは同部に強い集積が認められたため,脾臓転移を疑い2003年5月脾摘術を施行した.病理組織学的に前回切除されたS状結腸癌の脾臓転移と診断した.その後も補助化学療法を行わず,術後19か月経過した現在,再発なく生存中である.大腸癌の脾臓への孤立性転移はまれであり,若干の文献的考察を加えて報告する.
索引用語
colorectal cancer, splenic metastasis, FDG-PET
別刷請求先
山本 直人 〒232-0024 横浜市南区浦舟町4-57 横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器病センター
受理年月日
2005年7月27日
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