症例報告
切除膵管内にPanIN病変を合併した慢性膵炎による限局性膵管狭窄の1例
深見 保之, 寺崎 正起, 坂口 憲史, 村田 透, 大久保 雅之, 西前 香寿, 北山 康彦*, 星 昭二*
静岡済生会総合病院外科, 同 病理*
症例は79歳の女性で,発熱と右上腹部痛を主訴に当院を受診した.腹部超音波検査で,胆嚢壁の肥厚と胆石を認め胆石胆嚢炎の診断にて入院した.腹部CTで主膵管の拡張を認めたが,明らかな腫瘤像は認めなかった.ERPでは膵体部主膵管に狭窄があり,それより尾側膵管は拡張していた.膵液細胞診はclass IIIであった.小膵癌を否定できず膵体尾部・脾合併切除,胆嚢摘出術を施行した.病理所見では狭窄部の主膵管壁が線維性に肥厚し,周囲の膵実質は腺房の萎縮を認めた.限局性慢性膵炎による主膵管狭窄と判断した.また,狭窄部より約5 cm尾側膵管内にpancreatic intraepithelial neoplasia(PanIN)病変の合併を認めた.
索引用語
pancreatic intraepithelial neoplasia, chronic pancreatitis, main pancreatic duct
別刷請求先
深見 保之 〒422-8527 静岡市駿河区小鹿1-1-1 静岡済生会総合病院外科
受理年月日
2005年9月28日
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