臨床経験
難治性腹水に対するdenver peritoneovenous shuntの有用性の検討
宮本 勝文, 楠本 長正, 川畑 康成
石川島播磨重工業播磨病院外科
はじめに:難治性腹水に対する腹腔静脈シャントの有用性とJordiらが考案した腹腔静脈シャント後の予後予測式prognostic index(以下,PI)の有用性について検討を行った.方法:1999年10月から2003年10月までに腹腔静脈シャントを施行した15例を対象に,腹囲,体重,腎機能,凝固能,経口摂取量およびperformance status(以下,PS)の術前後の変化と平均生存期間について検討し,PIと予後との相関を検討した.結果:体重と腹囲は有意に減少し,腎機能は有意に改善した.凝固能は術前後で有意に変化し,経口摂取量は術後有意に増加した.手術後のPS低下は認めなかった.平均生存期間は165日で,PIと予後とは相関を示した.考察:難治性腹水症例のquality of life改善において,腹腔静脈シャントは有用な治療手段であり,その症例選択においてPIは有用な指標となる事が示唆された.
索引用語
refractory ascites, peritoneovenous shunt, liver cirrhosis
別刷請求先
宮本 勝文 〒678-0031 相生市旭3-5-15 石川島播磨重工業播磨病院外科
受理年月日
2005年9月28日
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