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第39巻 第4号 2006年4月 [目次] [全文 ( PDF 585KB)]
臨床経験

Crohn病の難治性直腸肛門部病変に対する直腸切断術

小金井 一隆, 木村 英明1), 杉田 昭1), 荒井 勝彦1), 福島 恒男1), 嶋田 紘2)

横浜市立大学附属市民総合医療センター難病医療センター, 横浜市立市民病院外科1), 横浜市立大学大学院消化器病態外科学2)

 内科的治療と局所外科治療で改善しないCrohn病の直腸肛門部病変に対する直腸切断術の適応,効果と問題点を,自験12例を対象に検討した.結果:直腸肛門狭窄と複雑痔瘻が83%(12例中10例)にあり,8例に直腸から周囲に伸展する瘻孔,直腸周囲膿瘍か直腸膣瘻を合併した.残り17%(12例中2例)は線維化した下部直腸から生じた痔瘻の1例と狭窄した直腸から周囲に瘻孔が伸展し膿瘍を形成した1例であった.術後,全例で疼痛,発熱,膣からの分泌,排尿困難が改善し,86%(7例中6例)で瘻孔の分泌物が減少した.合併症は会陰創治癒遅延が42%(12例中5例),骨盤内膿瘍が8.3%(12例中1例)あった.創治癒遅延の1例は分泌物を排出する瘻管を形成した.結語:難治性直腸肛門部病変に対する直腸切断術は術後合併症があるが,症状を改善しQOLを向上した.直腸肛門狭窄に瘻孔を伴う病変を合併し,保存的に改善しない症例には直腸切断術を考慮すべきと考えられた.

索引用語
Crohn's disease, anorectal complications, abdominoperineal resection

日消外会誌 39: 522-527, 2006

別刷請求先
小金井 一隆 〒232-0024 横浜市南区浦舟町4-57 横浜市立大学医学部附属市民総合医療センター難病医療センター

受理年月日
2005年10月19日

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