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第39巻 第5号 2006年5月 [目次] [全文 ( PDF 648KB)]
症例報告

腹膜漿液性乳頭状腺癌の1例―疾患概念に関する考察も含めて―

高橋 裕, 山口 哲哉, 武田 亮二, 坂田 晋吾, 山本 道宏

洛和会音羽病院外科

 症例は66歳の女性で,腹部膨満感と左下腹部痛で受診し,腹部CTで多量の腹水と大網腫瘤,血中CA-125(6,250 U/ml)高値,腹水中に腺癌細胞,卵巣は正常大の所見から腹膜漿液性乳頭状腺癌(peritoneal serous papillary carcinoma;以下,PSPC)として開腹した.広範な播種病変と大網腫瘤を認めdebulking surgeryを施行した.腫瘍細胞の形態と免疫組織化学染色Ber-EP4(+),CEA(+),calretinin(-),CK5/6(±)の結果からPSPCと診断された.PSPCはserous surface papillary carcinomaとも呼ばれるが,surfaceは本来卵巣表層上皮surface epitheliumを意味していたと考えられた.卵巣表面に小病変を認めても腹膜原発となる診断定義にも留意すべきと思われた.婦人科ではPSPCの腹腔内播種病変の多中心性同時性発生説が提唱されているが,ミュラー管遺残組織である精巣鞘膜の漿液性乳頭状腺癌にorchiectomyを施行後,腹水貯留と大網腫瘤を発症した泌尿器科の症例が文献中に認められ,異時性転移性播種例の存在を示唆するものと考えられた.

索引用語
peritoneal serous papillary carcinoma, surface epithelium, mullerian vestiges

日消外会誌 39: 602-607, 2006

別刷請求先
高橋 裕 〒607-8062 京都市山科区音羽珍事町2 洛和会音羽病院外科

受理年月日
2005年11月30日

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