症例報告
膿瘍を伴う急性虫垂炎との鑑別が困難であった虫垂癌の1切除例―当センター13例のまとめとともに―
山澤 邦宏, 斎藤 幸夫, 矢野 秀朗, 佐藤 文絵, 横畠 徳祐, 徳原 真, 清水 利夫, 斎藤 登*
国立国際医療センター外科, 同 病理*
急性虫垂炎症状にて発症した原発性虫垂癌を経験した.患者は56歳の女性で,右下腹部痛を主訴に来院した.腹部所見,腹部超音波,腹部CTなどにて腹腔内膿瘍を伴った急性虫垂炎の診断にて緊急手術を施行したが,術後の病理診断にて虫垂癌と判明した.追加手術として回盲部切除+リンパ節郭清を行った.se,n0,p(-),H0,M(-):stage IIであった.術後経過は順調で術後19.1か月経過した現在,テガフール・ウラシルを内服しつつ外来通院中である.当センターにて手術施行した原発性虫垂癌13例(本症例含む)および本邦報告255例の臨床病理学的特徴の考察とともに報告する.
索引用語
primary carcinoma of appendix, acute appendicitis, abdominal abscess
別刷請求先
山澤 邦宏 〒162-8655 新宿区戸山1-21-1 国立国際医療センター外科
受理年月日
2006年1月25日
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