症例報告
軟骨形成を伴う胆嚢癌肉腫に対する外科治療後長期生存の1例
岡村 行泰, 石榑 清2), 石川 忠雄, 猪川 祥邦, 菅江 崇, 高瀬 恒信, 中山 茂樹, 矢口 豊久, 原田 明生, 中村 隆昭1)
愛知県厚生連海南病院外科, 同 病理1), 愛知県厚生連昭和病院外科2)
症例は60歳の女性で,右上腹部痛と嘔吐を主訴に入院となった.腹部超音波検査,CTで胆嚢内に不整形の腫瘍を認め,深達度ssの胆嚢癌の診断で胆管,肝床切除,D2リンパ節郭清を伴う胆嚢摘出術を行った.病理組織学的には,腺癌と紡錘形細胞肉腫からなり,一部で軟骨肉腫への分化を認める胆嚢癌肉腫と診断した.免疫組織学的検索では,肉腫領域では上皮性マーカー陰性かつ間葉性マーカー陽性で,真の癌肉腫と診断した.胆嚢の癌肉腫は比較的まれな疾患で長期生存報告例は少ない.今回,我々は術後4年6か月経過し,再発の兆候を認めていない症例を経験したので報告する.
索引用語
carcinosarcoma of the gallbladder, chondroid differentiation, long-term survival
日消外会誌 39: 1505-1510, 2006
別刷請求先
岡村 行泰 〒411-8777 駿東郡長泉町下長窪1007 静岡県立静岡がんセンター肝胆膵外科
受理年月日
2006年2月22日
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