症例報告
子宮頸癌(腺癌)術後9年目にイレウスを契機に手術を施行した転移性小腸癌の1経験例
岡山 順司, 中辻 直之, 堀川 雅人, 辰巳 満俊, 高山 智燮, 中村 信治, 北東 大督, 丸山 博司*, 杉原 誠一
星ヶ丘厚生年金病院外科, 同 検査部*
症例は56歳の女性で,既往歴に47歳時,子宮頸癌で子宮摘出術,両付属器切除術,リンパ節郭清術を施行された.病理組織学的検査では腺癌であった.リンパ節転移も認めたことから,術後放射線照射も施行された.今回,術後9年目に腹痛,腹部膨満感を主訴に当院受診.腹部単純X線検査でNiveauを認め,イレウスと診断された.イレウス管造影検査で回腸末端から約30 cm口側の部位に狭窄像を認めた.子宮頸癌術後イレウスと診断し,小腸部分切除術を施行.摘出標本は全周性にわたる隆起性病変を認めた.病理組織学的には,筋層にとどまる小腸腺癌であり,子宮頸癌小腸転移と診断された.術後経過は良好で,外来通院中である.子宮頸癌の小腸転移は極めてまれであり,自験例を含めて2例の報告があるに過ぎず,貴重な経験をしたので若干の文献的考察を加えて報告する.
索引用語
uterine cervical cancer, metastatic tumor, small intestine
日消外会誌 39: 1529-1533, 2006
別刷請求先
岡山 順司 〒573-8511 枚方市星丘4-8-1 星ヶ丘厚生年金病院外科
受理年月日
2006年2月22日
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