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第39巻 第9号 2006年9月 [目次] [全文 ( PDF 847KB)]
症例報告

大腸癌術後に異時性肝・膵転移を来した1切除例

成田 和広, 熊谷 一秀, 清水 浩二, 田中 孝幸, 横山 登

昭和大学附属豊洲病院外科

 症例は74歳の男性で,平成8年10月にS状結腸癌の診断で,S状結腸切除術を施行した(stage IIIa).術後の外来経過観察において,術後11か月目に肝転移(S4)を認め肝部分切除術・胆嚢摘出術を施行,術後25か月目に再度肝転移(S6)を認め,肝部分切除術を再施行した.その後,補助化学療法を行っていたところ,術後49か月目に黄疸が出現したため,精査を加えたところ下部胆管に胆管軸上1.5 cmに渡り狭窄を認め,胆汁細胞診ではClass Vであった.下部胆管癌と診断し減黄後,膵頭十二指腸切除術を施行した.腫瘍は直径25 mm大で中心は膵内にあり,胆管粘膜下層まで浸潤し,幽門下リンパ節と大動脈周囲に示指頭大の転移を認めた.組織型は高・中分化型管状腺癌で,柵状構造を呈し,大腸原発巣と同様な組織像であった.大腸癌術後5年間に,肝転移(2か所)と膵転移を来し,おのおのその都度切除しえた1例を経験したので報告する.

索引用語
pancreatic metastasis, colon cancer

日消外会誌 39: 1553-1558, 2006

別刷請求先
成田 和広 〒135-8577 江東区豊洲4-1-18 昭和大学附属豊洲病院外科

受理年月日
2006年2月22日

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