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第39巻 第11号 2006年11月 [目次] [全文 ( PDF 845KB)]
原著

S・Rs大腸癌手術の予後における腹腔鏡補助下手術と開腹手術の比較検討

樋口 太郎1)2), 大塚 幸喜1), 藤澤 健太郎1), 板橋 哲也1), 川崎 雄一郎1), 秋山 有史1), 旭 博史3), 岡本 和美4), 斎藤 和好5), 若林 剛1)

岩手医科大学第1外科1), 斎藤労災病院外科2), 盛岡赤十字病院外科3), 松園病院外科4), 北上済生会病院外科5)

 はじめに:大腸癌の手術治療における予後を含めた治療成績について,腹腔鏡補助下大腸切除術(以下,LAC)と開腹大腸切除術(以下,OC)を比較検討した.対象と方法:1996年から2005年にかけて岩手医科大学外科学第1講座で施行した大腸癌切除790例中,手術手技の類似したS状結腸癌およびRs直腸癌266例のうちの,組織学的根治度AかつD3郭清施行例88例を対象とし,LAC群:43例とOC群:45例の2群に分けて,臨床病理学的諸因子および術後成績について比較検討した.結果:1)手術侵襲では,術中出血量はLAC群が18 mlとOC群の271 mlに比べて有意に低値であった(P<0.0001)が,手術時間はLAC群が211 min.に対しOC群228 min.,郭清リンパ節個数もLAC群22個に対しOC群24個と有意差は認められなかった.2)術後在院期間はLAC群が13日とOC群の25日に比べて有意に低値であった(P<0.0001).3)合併症発生率は,LAC群が9.3%とOC群の22.2%に比べて低率ではあったが,有意差は認められなかった.4)再発率は,LAC群が4.7%とOC群の11.1%に比べて低率ではあったが,有意差は認められなかった.5)Overallの5年生存率では,LAC群が100%に対しOC群が93.2%,5年無再発生存率でもLAC群が95.2%に対しOC群が86.6%と,LAC群が高率であったが有意差は認められなかった.考察:S・Rs大腸癌において,LACはOCに対して短期予後にbenefitを有しているだけでなく,中長期の予後においてもほぼ同等かそれ以上の結果が得られたことから,oncologic resectionの見地からも,開腹手術に比肩しえる手術手技であることが示唆された.

索引用語
laparoscopy-assisted colectomy, open colectomy, sigmoid and rectosigmoid cancers, oncologic resection, survival rates

日消外会誌 39: 1658-1665, 2006

別刷請求先
樋口 太郎 〒260-0005 千葉市中央区道場南1-12-7 斎藤労災病院外科

受理年月日
2006年4月26日

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