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第39巻 第12号 2006年12月 [目次] [全文 ( PDF 1163KB)]
原著

高齢者重症急性膵炎の検討

中島 高広, 上田 隆, 竹山 宜典, 安田 武生, 岸 真示, 沢 秀博, 味木 徹夫, 藤野 泰宏, 鈴木 康之, 黒田 嘉和

神戸大学大学院医学系研究科消化器外科学, 近畿大学医学部外科肝胆膵部門

 はじめに:社会の高齢化に伴い急性膵炎患者も高齢化し,重症急性膵炎の平均年齢はこの15年で10歳増加している.これまでの高齢者急性膵炎に関する報告は,対象として軽・中等症を多く含み,重症急性膵炎に焦点を絞った解析はみられない.今回,高齢者重症急性膵炎を検討し,その特徴を明らかにした.方法:厚生労働省重症度判定基準による重症急性膵炎137例を67歳未満105例と67歳以上(高齢者群)32例の2群に分類し,重症度,血液検査成績,治療内容,治療成績を比較解析した.さらに,高齢者群における経過の予知因子を検索した.結果:高齢者重症急性膵炎は,女性,胆石性が多く,入院時重症度(Ranson,APACHE II,厚労省スコア)が高かった.入院時検査で有意差を認めた因子はBUN,Creatinine,PaO2,CRPであった.リンパ球数は入院後1~3週目に有意な減少を認めた.高齢者群では,持続血液濾過透析の施行率が有意に高く,臓器障害併発率,死亡率が有意に高かった.高齢者群における経過予知因子を検索すると,生命予後予知因子は血糖,Ca,感染併発予知因子はLDH,CRP,Ca,臓器障害併発予知因子はCa,白血球数,IL-6,Base excessであった.高齢者群において入院時血清Caが7.2 mg/dl未満の症例は,臓器障害併発率,死亡率が有意に高かった.結論:高齢者重症急性膵炎は,臓器予備能が低いため臓器障害の併発が予後と関連しており,経過の予知因子として入院時血清Caが有用であると考えられた.

索引用語
severe acute pancreatitis, elderly patient, high age, Ca, lymphocyte count

日消外会誌 39: 1779-1786, 2006

別刷請求先
中島 高広 〒650-0017 神戸市中央区楠町7-5-2 神戸大学大学院医学系研究科消化器外科学

受理年月日
2006年4月26日

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