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第39巻 第12号 2006年12月 [目次] [全文 ( PDF 758KB)]
症例報告

多発性肝転移に対してラジオ波焼灼療法が奏功した直腸カルチノイドの1例

所 忠男, 奥野 清隆, 肥田 仁一, 石丸 英三郎, 上田 和毅, 吉藤 竹仁, 松崎 智彦, 南 康範**, 塩崎 均

近畿大学医学部堺病院外科, 近畿大学医学部外科, 同 消化器内科**

 症例は53歳の女性で,2001年10月に検診で便潜血反応陽性を指摘され,直腸診で肛門縁から5 cmに下縁を有する2 cm大の腫瘍を触知した.カルチノイドの診断で側方郭清を伴う低位前方切除術および肝S7にみられた5 mm大の転移巣に対する肝部分切除術を施行した.原発巣の壁深達度はmpで,251番・左262番リンパ節に転移が認められ,組織学的に根治度Bであった.肝動注による補助化学療法を行っていたところ,術後5か月目に肝S2・S7に転移巣が認められたため,経皮的にラジオ波焼灼療法(radiofrequency ablation;以下,RFAと略記)を施行した.2005年9月まで,計20か所の肝転移巣に対して経皮的RFAを施行し,肝転移のコントロ―ルは良好で他の転移・再発は認められない.RFAは両葉に多発する小さな肝転移巣に対して有効な局所療法と考えられた.

索引用語
rectal carcinoid, liver metastasis, radiofrequency ablation

日消外会誌 39: 1816-1821, 2006

別刷請求先
所  忠男 〒590-0132 堺市原山台2-7-1 近畿大学医学部堺病院外科

受理年月日
2006年4月26日

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