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第39巻 第12号 2006年12月 [目次] [全文 ( PDF 592KB)]
症例報告

胸腺腫摘出後の免疫不全に伴うサイトメガロウイルス腸炎穿孔の1例

富安 真二朗1)2), 沖野 哲也1), 佐伯 隆人1), 奥村 恭久1), 小板 裕之3)

独立行政法人国立病院機構都城病院外科1), 済生会熊本病院外科2), SRL西日本宮崎営業所病理3)

 症例は72歳の男性で,55歳の時に胸腺腫にて胸腺摘出術をうけていた.1週間前頃から発熱あり,近医にて投薬治療中,突然の腹痛あり近医受診した.汎発性腹膜炎との診断で当科紹介され緊急手術施行した.回腸末端から30センチの部位に穿孔を認めた.術後,肺炎を併発し多臓器不全で永眠された.切除標本の病理組織学的検査ではサイトメガロウイルス腸炎による穿孔であった.本症例では胸腺腫術後の低免疫状態から,サイトメガロウイルス腸炎を併発し回腸穿孔を来したものと考えられた.本症例は残念ながら死亡後に確定診断がついたが,このことを教訓として胸腺摘出後の患者の消化管穿孔では日和見感染的なCMV腸炎による潰瘍穿孔も念頭におくべきであると考えられた.高齢者のCMV腸炎も増加傾向にあり,免疫低下状態と考えられる患者だけでなく高齢者の消化管穿孔では,サイトメガロウイルス感染症を考慮して末梢血リンパ球数を測定する必要があると考える.

索引用語
cytomegalovirus enterocolitis, thymoma, perforation of the ileum

日消外会誌 39: 1839-1843, 2006

別刷請求先
富安真二朗 〒861-4193 熊本市近見5-3-1 済生会熊本病院外科

受理年月日
2006年4月26日

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