症例報告
真性腸石を伴ったメッケル憩室炎の1例
安田 祥浩, 高木 眞人, 尾形 高士, 山田 裕史, 鈴木 芳明, 加藤 文昭, 寿美 哲生, 青木 利明, 土田 明彦*, 青木 達哉*
東京医科大学八王子医療センター消化器外科, 東京医科大学外科学第3講座*
症例は33歳の男性で,平成17年10月下旬に下腹部痛,嘔吐が出現した.翌日,症状が増悪したため,当院受診し緊急入院となった.腹部単純X線検査で骨盤腔内に石灰化像を認めた.腹部CTでは骨盤腔内に小腸の腸間膜対側に接する嚢胞様の腫瘤があり,内部に石灰化を伴っていた.石灰化を伴ったメッケル憩室炎を疑い,99mTcシンチグラフィーを行うも99mTcの集積は認めなかった.入院翌日に反跳痛を認めたため,緊急手術を行った.腸石を伴ったメッケル憩室炎であったため,憩室切除術を行った.結石分析ではシュウ酸カルシウム結石であった.腸石は真性腸石と仮性腸石に分類されるが,臨床で経験されるのはほとんどが仮性腸石である.今回,極めてまれな真性腸石を伴ったメッケル憩室炎の症例を経験したので文献的考察を加え報告する.
索引用語
true enterolith, Meckel's diverticulitis
別刷請求先
安田 祥浩 〒193-0998 八王子市館町1163 東京医科大学八王子医療センター消化器外科
受理年月日
2006年4月26日
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