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第40巻 第3号 2007年3月 [目次] [全文 ( PDF 498KB)]
症例報告

所属リンパ節にサルコイド反応を伴った肝細胞癌の1例

康 純明, 村田 哲洋, 渋谷 雅常, 鄭 聖華, 山田 忍, 金村 洙行, 竹内 一浩, 新田 敦範, 田中 肇

生長会府中病院外科・消化器センター

 症例は67歳の男性で,10年前よりC型慢性肝炎にて通院中,2003年8月腰背部痛が出現したため当院を受診した.AFPが60 ng/mlと高値で,腹部USにて肝S5に4 cm大の高エコー腫瘍を認めた.造影CTでは辺縁のみ造影され,総肝動脈,下大静脈周囲リンパ節腫大もみられた.上部・下部消化管に癌病変なく,肺・縦隔にも異常所見はなかった.腹部血管造影検査でS5に腫瘍濃染像がみられ,CT-APにてperfusion defectを呈し肝細胞癌と診断,TAEを施行した.しかし,壊死効果不十分であったため,開腹下にマイクロ波凝固療法およびリンパ節摘出術を行った.肝腫瘍は生検にて低分化型肝細胞癌と診断され,摘出したリンパ節に類上皮細胞肉芽腫と転移巣が混在して認められた.術後約2年健存中である.悪性腫瘍の数%にサルコイド反応がみられ本邦では胃癌,肺癌に多いとされているが,肝細胞癌に伴った報告は自験例を含め5例とまれであり文献的考察を加えて報告する.

索引用語
hepatocellular carcinoma, sarcoid reaction, epithelioid granuloma

日消外会誌 40: 271-276, 2007

別刷請求先
康  純明 〒594-0076 和泉市肥子町1-10-17 生長会府中病院外科・消化器センター

受理年月日
2006年6月28日

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