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第40巻 第3号 2007年3月 [目次] [全文 ( PDF 431KB)]
症例報告

Peritoneo-venous shuntカテーテル挿入が原因と思われる被嚢性腹膜硬化症で絞扼性イレウスを来した1例

多田 正晴, 中山 昇, 坂田 晋吾, 武田 亮二, 山本 道宏, 西崎 大輔, 山口 哲哉, 近藤 守寛, 高橋 裕

洛和会音羽病院外科, 同 腎臓内科

 症例は59歳の男性で,肝硬変による腹水のコントロール目的で平成12年2月にperitoneo-venous shunt(以下,PVS)カテーテル挿入した.平成13年11月に急な腹痛で発症,絞扼性イレウスの診断で緊急手術を施行した.開腹すると腹腔内臓器ほぼ全体が白濁した硬い被膜に覆われていた.一部で硬い被膜が破れ小腸が露出し,その裂創に絞扼されて露出小腸は壊死していた.これらの所見から被嚢性腹膜硬化症(encapsulating peritoneal sclerosis;以下,EPS)とそれによる絞扼性イレウスと診断した.EPSは臨床的には腸閉塞症状を来し,腹腔内臓器が白濁肥厚した膜に覆われ,繭で包まれたように塊状になるとされる.EPSはcontinuous ambulatory peritoneal dialysis(以下,CAPD)の合併症として知られているが,本症例は,CAPD以外でも腹腔内に異物であるカテーテルを留置する場合にはEPS発症の危険があることを示唆していると考えられる.

索引用語
encapsulating peritoneal sclerosis, peritoneo-venous shunt, strangulation ileus

日消外会誌 40: 325-330, 2007

別刷請求先
多田 正晴 〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町54 京都大学医学研究科消化器外科

受理年月日
2006年7月26日

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