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第40巻 第4号 2007年4月 [目次] [全文 ( PDF 410KB)]
症例報告

胃多発性過形成性ポリープに発生した多発胃癌の1例

三松 謙司, 加納 久雄, 小倉 道一, 久保井 洋一, 桂 義久, 大井田 尚継

社会保険横浜中央病院外科, 同 病理

 症例は76歳の男性で,脳梗塞後遺症で通院中に吐血で入院となった.内視鏡検査にて,胃体中部前壁に粘液が付着した結節状の腫瘍を認め,後壁に粗大顆粒状の腫瘍を認め,さらに食道胃接合部直下に細顆粒状のポリープを認めた.また,胃体上部から中部に過形成ポリープが多発していた.生検により,胃体中部の腫瘍は二つともGroup V,腺癌で,ポリープはGroup III,腺腫の診断であった.手術は,胃全摘術,D1+βリンパ節郭清,Roux-en Y型空腸嚢再建術を施行した.術後病理診断では,胃体中部の腫瘍は二つとも中分化型腺癌,sm2で,ポリープは高分化型腺癌,mであった.いずれも過形成を来した腺窩上皮より発生していた.癌化を来したポリープを有する多発過形成性ポリープは,癌化のpotentialを有する可能性が考えられ,ポリープ全切除することが望まれると考えられた.

索引用語
multiple hyperplastic polyp, multiple gastric cancer

日消外会誌 40: 388-392, 2007

別刷請求先
三松 謙司 〒231-8553 横浜市中区山下町268 社会保険横浜中央病院外科

受理年月日
2006年9月27日

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