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第40巻 第4号 2007年4月 [目次] [全文 ( PDF 437KB)]
症例報告

Endoscopic submucosal dissectionによる胃穿孔1年後に腹膜播種再発を来したStageIB胃癌の1例

森田 晃彦, 薮下 和久, 木村 準, 尾山 勝信, 寺田 逸郎, 山本 精一, 加治 正英, 前田 基一, 小西 孝司

富山県立中央病院外科

 Endoscopic submucosal dissection(以下,ESDと略記)の合併症として穿孔は数多く報告されているが,穿孔に起因する腹膜播種が生じたという報告はない.今回,ESD穿孔の1年後に腹膜播種を生じた1例を経験したので報告する.症例は80歳の男性で,検診で見つかった胃体下部小彎に2 cm大の隆起性病変に対し,超音波内視鏡検査でSM massiveと診断されたがESDを施行した.途中穿孔を認めたため中断し,クリップで縫縮した.1か月後に幽門側胃切除を施行し,stageIB根治度Aであった.1年後に腹壁の腫瘤が出現し,同部位からの生検で胃癌の腹壁転移と診断され手術となった.腹壁の腫瘍は腹腔内まで連続し,腹腔内には大小の結節が認められ,胃癌の腹膜播種と診断した.その6か月後に癌性腹膜炎で死亡した.

索引用語
endoscopic submucosal dissection, peritoneal dissemination, perforation

日消外会誌 40: 399-404, 2007

別刷請求先
森田 晃彦 〒938-8502 黒部市三日市1108-1 黒部市民病院外科

受理年月日
2006年9月27日

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