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第40巻 第4号 2007年4月 [目次] [全文 ( PDF 515KB)]
症例報告

門脈右枝の閉塞を伴った肝炎症性偽腫瘍の1例

藤原 拓造, 五味 慎也, 村嶋 信尚, 松本 剛昌, 飽浦 良和, 浜崎 啓介

倉敷成人病センター外科, 津山第一病院消化器病センター外科

 症例は65歳の男性で,出血性胃潰瘍にて入院加療中に肝腫瘍を指摘された.経過中に発熱などの症状はない.ALP, γ-GTPの軽度上昇以外肝機能検査に異常はなく,肝炎ウイルスは陰性,腫瘍マーカーは正常範囲であった.腹部CT, MRIで肝右葉中枢側に約5 cmの辺縁のみに造影効果のある腫瘍を認め,門脈右枝を閉塞,肝内胆管右前区域枝は拡張していた.門脈造影検査では右1次分枝より末梢は造影されなかった.経皮的腫瘍針生検では炎症細胞のみで腫瘍性の細胞は認められず,肝炎症性偽腫瘍と診断した.肝右葉切除術を行い,切除標本の病理組織学的検査所見は肝炎症性偽腫瘍に一致した.術後5年経過した現在,再発を認めていない.肝炎症性偽腫瘍は比較的まれな疾患で,その原因など不明な点が多い.本例のごとく肝門部近くに腫瘍が存在し,腫瘍の進展が新たな病態を発生させる危ぐがある場合には外科的切除を選択すべきと考えられた.

索引用語
inflammatory hepatic pseudotumor, portal vein, hepatectomy

日消外会誌 40: 415-420, 2007

別刷請求先
藤原 拓造 〒710-8522 倉敷市白楽町250 倉敷成人病センター外科

受理年月日
2006年10月25日

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