症例報告
MDCTが術前診断に有用であった腸重積合併虫垂粘液嚢胞腺腫の1例
村上 茂樹, 竹林 隆介, 竹田 正範, 只友 秀樹, 磯崎 博司, 庄 達夫, 石原 清宏, 酒井 邦彦
おおもと病院
腸重積にて発症した虫垂粘液嚢胞腺腫の1例を経験した.症例は46歳の女性で,腹痛,水様便を主訴に来院した.腹部超音波検査,multidetector CT(以下,MDCTと略記)にて,横行結腸に嚢胞性腫瘤を先進部とする腸重積の所見を認めた.注腸にて整復を行ったが,上行結腸下部に円筒状の腫瘤像が残り,造影剤の回腸への流入は不能で,整復は不完全であった.当日開腹手術を行ったが,虫垂は7.5×3.0 cmと腫大し,根部が盲腸内へ陥入していたため,回盲部切除術を行った.病理組織学的には単胞性の粘液嚢胞腺腫であり,粘膜上皮および内容物質内には悪性細胞は認めなかった.冠状断MDCTは,腸重積の診断において有用であった.
索引用語
mucinous cystadenoma of the appendix, intussusception, multidetector CT
別刷請求先
村上 茂樹 〒700-0924 岡山市大元1-1-5 おおもと病院
受理年月日
2006年9月27日
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