総説
肝細胞癌に対する生体肝移植と脳死肝移植の適応をめぐる世界の22施設での考え方
江口 晋, 高槻 光寿, 曽山 明彦, 日高 匡章, 渡海 大隆, 濱崎 幸司, 宮崎 健介, 田島 義証, 兼松 隆之
長崎大学大学院移植・消化器外科
現在の世界各地での肝細胞癌(以下,HCC)に対する肝移植(以下,LT)適応の考え方を明らかにする目的で以下の検討を施行した.海外22LT施設へ以下の質問を送付.(1)What is an indication of LT for HCC at your center?(2)Is the indication for HCC different between deceased donor(以下,DD)LT and living donor(以下,LD)LT?(3)If so, how and why? DDLT適応:アジア Milano基準(以下,M-C)2/4(50%),UCSF基準(以下,UCSF-C)2/4(50%).豪・欧州M-C 12/13(92%)が大部分.米国M-C 2/5(40%),UCSF-C 3/5(60%)で,進行例には脂肪肝グラフトなどを利用.LDLT適応:アジア M-C 2/4(50%),UCSF-C 2/4(50%).豪・欧州M-C 9/12(75%),UCSF-C 2/11(25%).米国M-C 1/5(20%),M-Cを超えた例のみLDLT 1/5(20%),LDLTはHCCに対して行わない3/5(60%).アジアではHCCに対するLT適応は広めで,豪・欧州ではMCに沿う傾向であった.米国ではM-C,UCSF-C内のHCCにはDDを配分し,進行例には境界グラフトを用いる傾向であった.
索引用語
hepatocellular carcinoma, indication, liver transplantation
別刷請求先
江口 晋 〒852-8501 長崎市坂本1-7-1 長崎大学大学院移植・消化器外科
受理年月日
2006年10月25日
 |
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|