十二指腸乳頭部癌と空腸多発gastrointestinal stromal tumorを合併したvon Recklinghausen病の1例

生田　真一, 安井　智明, 相原　司, 吉江　秀範, 坂東　俊宏, 光信　正夫, 杉原　綾子^＊, 山中　若樹

明和病院外科, 同　病理部^＊

　症例はvon Recklinghausen病（以下，R病と略記）の71歳の男性で，主訴は全身倦怠感，上部消化管内視鏡検査で十二指腸乳頭部に腫瘤を認め，生検で腺癌と診断された．手術は幽門輪温存膵頭十二指腸切除を施行したが，術中空腸漿膜側に壁外性発育を示す多発腫瘍を認め，上部空腸を合併切除した．免疫染色を用いた病理組織検査で空腸腫瘍は狭義のgastrointestinal stromal tumor（以下，GISTと略記）と診断された．R病には神経原性腫瘍が高頻度に合併するとされてきたが，近年，非神経原性腫瘍の合併例の報告も散見される．本症例は，R病に十二指腸乳頭部癌と空腸GISTを合併した稀有な症例であった．

索引用語
von Recklinghausen's disease, carcinoma of the papilla of Vater, gastrointestinal stromal tumor

別刷請求先
生田　真一　〒663-8186　西宮市上鳴尾町4-31　明和病院外科

受理年月日
2006年10月25日

PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です