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第40巻 第8号 2007年8月 [目次] [全文 ( PDF 441KB)]
症例報告

小腸皮膚瘻を形成した結核性腹膜炎の1例

平原 典幸, 西 健, 川畑 康成, 稲尾 瞳子, 矢野 誠司, 立花 光夫, 田中 恒夫, 上田 邦彦, 松下 一行, 小串 伊知郎

島根大学医学部消化器・総合外科, 協和会協立病院外科

 症例は55歳の男性で,発熱,右側腹部の発赤,疼痛を訴え来院した.来院時,WBC 13,900/μl,CRP 27.7 mg/dlと炎症反応が上昇し,CTにて右側腹部に10×6×5 cmの内部が不均一な嚢胞性病変を認め,周囲脂肪織への炎症の波及が疑われ入院となった.入院翌日には自潰し多量に排膿があったが,抗生剤にて炎症反応は改善し,8日後に排膿は消失し退院となった.しかし,13日後再度自潰し,瘻孔造影にて小腸が造影されたため手術を施行した.腹腔内にφ2-3 mmの白色小結節とムチン状腹水,右側腹部に癒着を認めた.診断不能のためムチン状粘液と小結節を採取したのみで閉腹した.病理組織学的検査にて結核菌は認めないが,一部壊死を伴った類上皮細胞からなる結節性病変を認め,腸結核を疑い大腸内視鏡を施行した.回盲部から類上皮細胞肉芽腫,ラングハンス型巨細胞を認めたため腸結核の診断にて治療開始し,約2週間後に瘻孔は閉鎖した.腸結核は多彩な病像を呈することがあり注意を要する.

索引用語
tuberculous peritonitis, enterocutaneous fistula, laparoscopy

日消外会誌 40: 1525-1530, 2007

別刷請求先
平原 典幸 〒693-8501 出雲市塩冶町89-1 島根大学医学部消化器・総合外科

受理年月日
2007年1月31日

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