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第40巻 第9号 2007年9月 [目次] [全文 ( PDF 356KB)]
原著

肝移植レシピエントにおける肝細胞癌再発予測因子としてのPIVKA-IIの臨床的意義

藤木 真人, 高田 泰次, 伊藤 孝司, 上本 伸二

京都大学医学部附属病院肝胆膵・移植外科

 はじめに:PIVKA-IIは高い特異度を特徴とする腫瘍マーカーであり,肝硬変における肝細胞癌発生の早期診断や,肝細胞癌における治療効果の判定,予後予測において活用されてきた.しかし,末期肝硬変または肝細胞癌を合併した肝移植レシピエントにおけるPIVKA-IIの意義についてはいまだ明らかにされていない.対象と方法:1999年から2005年までに当院で肝移植を行った肝細胞癌を合併しない肝硬変24例と肝細胞癌合併123例を対象とし,PIVKA-IIの測定値分布,PIVKA-IIと肝細胞癌病理組織学的検査所見ならびに予後との関連について検討した.結果:肝細胞癌を合併しない肝硬変症例の58%でPIVKA-IIが陽性となった.PIVKA-II陽性群のChild-Pugh score, MELD scoreの平均値はそれぞれ10.8点,20.9点で,陰性群よりも有意に高かった(p<0.05).肝細胞癌症例においては,PIVKA-II>400 mAU/ml群における5年累積再発率は,PIVKA-II≦400 mAU/ml群と比較して有意に不良であり(60% vs. 13%,p<0.01),多変量解析でも独立した再発予測因子となった(相対危険率5.984,p<0.01).組織学的門脈浸潤陽性群は陰性群よりもPIVKA-IIの中央値が有意に高かった(p<0.01).考察:肝硬変症例のPIVKA-II陽性率が高い原因として,対象群の肝機能障害が重度であることが考えられる.PIVKA-IIは肝細胞癌の病理組織学的特徴と密接に関連し,肝移植後の再発予測因子として非常に有用な腫瘍マーカーである.

索引用語
PIVKA-II, DCP, liver transplantation, hepatocellular carcinoma, cirrhosis

日消外会誌 40: 1549-1556, 2007

別刷請求先
藤木 真人 〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町54 京都大学医学部附属病院肝胆膵・移植外科

受理年月日
2007年2月28日

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