症例報告
ウォッカの大量飲酒により腐食性食道狭窄を生じた1例
津福 達二, 田中 寿明, 末吉 晋, 田中 優一, 森 直樹, 藤田 博正, 白水 和雄
久留米大学医学部外科学
症例は39歳の男性で,2004年1月,うつ病があり自殺企図にてウォッカを大量に飲用し,高度の胸焼け,嚥下障害を生じたため当院へ紹介となった.食道潰瘍および食道狭窄を認め,腐食性食道炎と診断した.希死念慮が強かったため精神科に入院となり,精神面の治療を行った.2月,狭窄症状が強くなったため,空腸瘻を造設し,全身状態の改善および精神状態の安定を待って,7月,非開胸食道抜去術,胸骨後食道胃吻合術を行った.経口摂取可能となり術後32日目に退院した.高濃度のアルコール(ウォッカ)飲用による腐食性食道狭窄を経験したので報告する.
索引用語
corrosive esophagaitis, esophageal stricture, alcohol
日消外会誌 40: 1661-1665, 2007
別刷請求先
津福 達二 〒830-0011 久留米市旭町67 久留米大学医学部外科学
受理年月日
2007年3月28日
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