症例報告
閉塞性黄疸を合併した成人型Bochdalek孔ヘルニアの1手術例
増田 崇, 桑原 亮彦
津久見市医師会立津久見中央病院外科
症例は80歳の女性で,原因不明の腹痛,嘔吐および肝機能障害にて入退院をくり返していた.入院後,絶飲食にて症状はすぐに軽快するため経過観察をされていた.今回は同様の症状に加え黄疸を合併し緊急入院となる.画像上,胆嚢の腫大,肝内胆管の拡張を認め閉塞性黄疸を来していた.右側Bochdalek孔ヘルニアも認めた.保存的治療を行っていたが症状が増悪するため,Bochdalek孔ヘルニアの嵌頓によるものと判断し,緊急手術を行った.胃前庭部から十二指腸下行脚までが,右Bochdalek孔に嵌頓していたため,これらを還納し,Bochdalek孔は可及的に縫合閉鎖した.術後,黄疸は改善し,嘔吐も消失.以後,再発は認めていない.閉塞性黄疸を合併した成人型Bochdalek孔ヘルニアの手術例はまれであり,文献的考察を含め報告する.
索引用語
adult Bochdalek hernia, obstructive jaundice
日消外会誌 40: 1690-1693, 2007
別刷請求先
増田 崇 〒879-2401 津久見市大字千怒6011番地 津久見市医師会立津久見中央病院
受理年月日
2007年3月28日
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