症例報告
CA19-9産生脾嚢胞の1例
藤田 洋一, 谷 眞至, 寺澤 宏, 川井 学, 伊奈 志乃美, 廣野 誠子, 内山 和久, 山上 裕機
和歌山県立医科大学第2外科学
CA19-9産生脾嚢胞の1例を経験した.症例は49歳の女性で,検診にてCA19-9高値を指摘され受診した.受診時の血清CA19-9は149.5 U/mlと高値であり,CTにて脾門部に石灰化を伴った10 cm大の嚢胞性病変を認めた.巨大で,悪性の可能性も否定できなかったため,脾摘術を施行した.腫瘍は白色を帯びた嚢胞性病変として存在し,周囲の臓器との癒着は軽度であった.組織学的診断は類表皮嚢胞であった.今回,我々は脾嚢胞摘出後血清CA19-9値は正常化し,免疫染色にて脾嚢胞被覆上皮にCA19-9陽性像を得られた症例を経験したので報告する.
索引用語
splenic cyst, epidermoid cyst, CA19-9
日消外会誌 40: 1700-1705, 2007
別刷請求先
藤田 洋一 〒641-0012 和歌山市紀三井寺811-1 和歌山県立医科大学第2外科学教室
受理年月日
2007年3月28日
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