症例報告
機能的端々吻合術後に吻合部再発を来した結腸癌の2例
白土 裕之, 渡邉 聡明, 味村 俊樹, 端山 軍, 山田 英樹, 白 京訓, 野澤 慶次郎, 松田 圭二, 高田 忠敬
帝京大学医学部外科
結腸癌に対する機能的端々吻合(functional end-to-end anastomosis;以下,FEEA)術後に,腫瘍細胞のimplantationが原因と思われる吻合部再発を来した2例を経験したので報告する.症例1は68歳の男性で,上行結腸進行癌に対してFEEAを用いた結腸右半切除術を施行.3年4か月後,大腸内視鏡検査にて吻合部に2型腫瘍を認め,吻合部切除術を施行.症例2は70歳の男性で,横行結腸進行癌に対してFEEAを用いた結腸右半切除術を施行.2年後,内視鏡検査で吻合部に2型腫瘍を認め,吻合部切除術を施行.文献上,本邦ではFEEA術後の吻合部再発が14例報告されている.直腸癌手術時には吻合部再発予防として器械吻合前の腸管内洗浄が一般的であるが,結腸癌に対するFEEAでも吻合前の腸管内洗浄や入念な消毒の必要性が示唆された.今後,効率的な洗浄・消毒法や手術手技の確立が望まれる.
索引用語
functional end-to-end anastomosis, anastomotic recurrence, implantation
日消外会誌 40: 1727-1732, 2007
別刷請求先
白土 裕之 〒173-8605 板橋区加賀2-11-1 帝京大学医学部附属病院外科
受理年月日
2007年3月28日
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