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第40巻 第11号 2007年11月 [目次] [全文 ( PDF 374KB)]
症例報告

胃悪性リンパ腫自然穿孔の1例

田中 達也, 岩佐 麻衣, 羽田 裕司, 柴田 康行, 西脇 巨記, 田中 宏紀

名古屋市立東市民病院外科

 胃悪性リンパ腫自然穿孔の1例を経験したので報告する.症例は84歳の女性で,食思不振で他院を受診,胃体部大彎側に隆起性病変を指摘された.胃悪性リンパ腫・diffuse large Bcell lymphomaと診断され,化学療法目的で当院に入院した.化学療法前の第2病日・昼食後に腹痛と発熱が出現,胃悪性リンパ腫穿孔と診断し,開腹術を行った.胃は全体に硬化しており胃体部前壁大彎よりに1 cm大の穿孔部を認めた.高齢で全身状態が不良であったことから穿孔部閉鎖,大網被覆術を行った.これにより,全身状態が改善したため第28病日に幽門側胃切除術を行った.胃体中部大彎側に9×8 cmの潰瘍を伴う巨大な腫瘤を認め,胃悪性リンパ腫・diffuse large Bcell lymphomaと診断した.術後第59病日内科転科となった.胃悪性リンパ腫の自然穿孔例は,過去23年間の本邦報告例を検索したところ自験例を含めて24例とまれであり,ここに報告する.

索引用語
gastric malignant lymphoma, spontaneous perforation

日消外会誌 40: 1788-1792, 2007

別刷請求先
田中 達也 〒464-0071 名古屋市千種区若水1-2-23 名古屋市立東市民病院

受理年月日
2007年4月25日

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