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第40巻 第11号 2007年11月 [目次] [全文 ( PDF 491KB)]
症例報告

重症腹膜炎術後に発症した腹部コンパートメント症候群の診断治療に最高気道内圧モニタリング・減張腹壁創管理が有効であった1救命例

荒金 英樹, 稲田 聡, 安井 仁, 閑 啓太郎, 清水 正啓

愛生会山科病院外科

 症例は63歳の女性で,S状結腸憩室穿孔による汎発性腹膜炎のため,緊急手術,腹腔内洗浄,人工肛門造設術を行った.術中より敗血症性ショックとなるが,閉腹時では腹腔内圧の上昇の所見は認めなかった.術後,多量の輸液と持続血流ろ過透析を施行,術後5日目,最高気道内圧の上昇を認め,膀胱内圧を測定すると30 mmHgであった.腹部コンパートメント症候群と診断,減圧目的に再手術を施行した.回腸が屈曲部で分節状に壊死を起こし,回盲部から口側に約150 cm切除,小腸断端は右側腹部で人工肛門とした.腹壁は縫合せず,閉鎖式持続吸引法を施行した.再手術後5日目,腸管の浮腫が軽減し,腹壁の再縫合を施行した.以後,全身状態は徐々に改善し,1年3か月後に退院となった.腹部コンパートメント症候群による腸管壊死は致死的な病態だが,膀胱内圧測定の補助として最高気道内圧のモニタリングは,腹腔内圧の上昇の早期発見に有用な方法と考えられた.

索引用語
abdominal compartment syndrome, peak airway pressure, intestinal necrosis

日消外会誌 40: 1874-1879, 2007

別刷請求先
荒金 英樹 〒607-8086 京都市山科区竹鼻四丁野町19-4 愛生会山科病院外科

受理年月日
2007年4月25日

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