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第41巻 第1号 2008年1月 [目次] [全文 ( PDF 405KB)]
症例報告

1期的手術により救命できた門脈ガス血症を呈した非閉塞性腸管虚血症の1例

小菅 敏幸, 藤 信明, 伊藤 剛, 渡辺 太治, 柏本 錦吾, 谷口 弘毅, 内藤 和世

京都府立与謝の海病院外科

 症例は83歳の女性で,一過性脳虚血発作で入院となった.入院後に右側腹部痛と腹膜刺激症状が出現したため施行された腹部造影CTで,肝内門脈ガスを認めた.上腸間膜動脈根部および本幹は造影されたが,腸管壊死が疑われ緊急開腹術を施行した.上腸間膜動脈本幹の拍動を良好に触知したが,上行結腸から横行結腸に20 cmにわたり壊死を認めた.結腸右半切除術を行い,1期的に吻合した.経過良好で48時間以内に門脈ガスは消失し,第14病日に退院した.組織学的検査所見で,結腸に出血性壊死を認めたが,腸間膜血管内に血栓を認めず,非閉塞性腸管虚血症と診断された.本疾患は本邦報告例が少なく予後不良とされるが,早期に診断し時期を逸することなく開腹術を行った.残存腸管のviabilityを慎重に評価したうえで,1期的手術を行い救命することができた.

索引用語
nonocclusive mesenteric ischemia, portal venous gas

日消外会誌 41: 111-116, 2008

別刷請求先
小菅 敏幸 〒629-2261 与謝郡与謝野町男山481 京都府立与謝の海病院外科

受理年月日
2007年5月31日

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