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第41巻 第2号 2008年2月 [目次] [全文 ( PDF 566KB)]
症例報告

初期像が確認された食道原発悪性黒色腫の1例

吉田 貢一, 前田 一也, 菅原 浩之, 佐々木 正寿, 松井 一裕

富山県済生会高岡病院外科, 同 病理科

 腫瘍径約10 mmの上皮内病変から腫瘍最大径42 mmの隆起型病変に19か月をかけて発育したことが確認された食道原発悪性黒色腫の1例を経験した.食道悪性黒色腫の自然史を考えるうえでは非常に貴重な症例であると考え報告する.症例は69歳の男性で,胸部食道に径約10 mmの褐色の色素斑を認め,生検で食道メラノーシスと診断されていた.19か月後の内視鏡検査で前回に指摘されていた色素斑の部位に一致して42×32×11 mmの隆起性病変を認めた.生検で悪性黒色腫と診断された.以前の生検標本が再鏡検された結果,melanoma in siteと診断が訂正された.切除術を施行したが術後7か月目に肝転移と肺転移を来し,術後10か月目に死亡した.

索引用語
malignant melanoma, esophageal neoplasm, natural history

日消外会誌 41: 177-181, 2008

別刷請求先
吉田 貢一 〒933-8525 高岡市二塚387-1 富山県済生会高岡病院外科

受理年月日
2007年7月25日

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