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第41巻 第3号 2008年3月 [目次] [全文 ( PDF 256KB)]
原著

肛囲部Paget病患者における肛門管重層扁平上皮部切除術後の直腸肛門機能の検討

石川 幹真, 壬生 隆一, 田中 雅夫

九州大学大学院医学研究院臨床・腫瘍外科

 はじめに:肛囲部広範囲皮膚切除術は肛囲部Paget病に対する標準的治療の一つである.この術式では罹患部位により肛門の歯状線以下の重層扁平上皮が切除されることがあり,術後の重要な合併症の一つとして便失禁が挙げられる.しかし,この術式の直腸肛門機能に与える影響については報告されていない.今回,我々は肛囲部広範囲皮膚切除,分層植皮術(広範切除術)が直腸肛門機能に与える影響を問診と直腸肛門内圧検査を用いて評価し,術後排便障害との関連性を明らかにすることを目的とした.対象と方法:広範切除術を施行された肛囲部Paget病患者9例を対象に排便状態の問診と直腸肛門内圧検査を術前後に行い比較検討した.結果:9例中5例に術後便失禁を認め,この5例のうち4例に植皮部の感染や壊死による肛門の狭窄・変形を生じていた.術後に発生した便失禁はこれら合併症を有した患者のみであった.直腸肛門内圧検査では,本術式の前後で有意な変化は認められず,植皮部合併症の有無,便失禁の有無で比較しても有意な差はなかった.考察:直腸肛門内圧検査による検討から,広範切除術は直腸肛門機能に対し有意な影響はないと考えられた.本術式後の便失禁は術後の肛門の狭窄や変形がその原因と考えられた.したがって,便失禁の予防には狭窄・変形の原因となる,感染や皮膚壊死といった合併症の予防が重要であると考えられた.

索引用語
anus, extramammary Paget's disease, anorectal manometry, fecal incontinence

日消外会誌 41: 277-282, 2008

別刷請求先
石川 幹真 〒812-8582 福岡市東区馬出3-1-1 九州大学大学院医学研究院臨床・腫瘍外科

受理年月日
2007年9月26日

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