症例報告
鎖骨骨折が契機となった皮下埋め込み型中心静脈カテーテル断裂の1例
小林 聡, 弥政 晋輔, 澤崎 直規, 京兼 隆典, 松田 眞佐男
社会保険中京病院外科
症例は73歳の男性で,進行大腸癌に対し中心静脈ポートを用いた外来化学療法を施行中であった.転倒により右鎖骨骨折を来したが,胸部X線検査上,カテーテルの損傷はなく薬液注入も問題なかったため,以降化学療法を3クール施行した.しかし,次クール目を開始したところ皮下腫脹を来したため胸部X線を撮影すると,断裂したカテーテルを左肺動脈内に認めた.緊急で経大腿静脈的に断裂したカテーテルを摘出した.今後CVポートを留置して外来化学療法を行うケースが増加してくると思われ,鎖骨骨折を来しポートを抜去するか否かの選択に迫られるケースに遭遇する可能性が十分に考えられる.その際は,透視検査を行うなど詳細な評価を行い,ポート抜去の判断をすべきであると考える.
索引用語
catheter fracture, central venous catheter port, clavicular fracture
別刷請求先
小林 聡 〒461-8798 名古屋市東区泉2-2-5 名古屋逓信病院外科
受理年月日
2007年9月26日
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