症例報告
術前診断し腹腔鏡下に根治術を施行した外側型盲腸周囲ヘルニアの1例
服部 正興, 鈴木 秀昭, 柴原 弘明, 久世 真悟, 高見澤 潤一
袋井市立袋井市民病院外科
症例は77歳の女性で,右下腹部痛を主訴に当院を受診した.腹部手術の既往はない.入院後イレウスと診断しイレウス管で減圧した.イレウス管で造影をしたのち多列検出CT(Multidetector-row CT;以下,MDCT)を行ったところ,盲腸の腹尾側にclosed loop状の回腸があり盲腸周囲ヘルニアと診断した.腹腔鏡下に盲腸外側のヘルニア門を開放して手術を終了した.術後経過良好で術後5日目に退院した.自験例の盲腸周囲ヘルニアは,本邦でよく引用される,上回盲窩,下回盲窩,虫垂後窩,盲腸後窩型の四つの分類に当てはまらない型の外側型盲腸周囲ヘルニアであった.イレウス管造影後のMDCTが術前診断に有用で,低侵襲な腹腔鏡下手術が可能であった.
索引用語
paracecal hernia, multidetector-row CT, laparoscopic surgery
別刷請求先
服部 正興 〒437-0061 袋井市久能2515-1 袋井市立袋井市民病院外科
受理年月日
2007年9月26日
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