症例報告
腹腔鏡補助下胃幽門側切除術にて切除しえた十二指腸巨大脂肪腫の1例
塚本 好彦, 佐溝 政広, 高橋 徹也, 宮下 勝, 前川 貴代
甲南病院外科
症例は75歳の女性で,上腹部膨満感で来院.内視鏡および胃透視検査でcushion signを呈する十二指腸球部から胃前庭部にかけて巨大な粘膜下腫瘍が存在した.CTでは十二指腸球部に径67×66 mmの脂肪濃度を呈する境界明瞭な腫瘍を認めた.脂肪腫と診断し,腹腔鏡補助下胃幽門側切除術を施行した.切除標本では十二指腸球部から幽門輪を超え胃に進入する12×6.5×3.0 cmの広基性巨大粘膜下腫瘍であった.病理組織学的検査では粘膜下に発生した脂肪腫と診断した.50 mmを超える十二指腸巨大脂肪腫の報告は過去に本邦では5例,外国では9例の報告があるのみで幽門輪をまたいで胃にかかるものの報告はない.また,腹腔鏡補助下に切除したものの報告も過去に2例のみである.今回,腹腔鏡手術が有効であった十二指腸巨大脂肪腫の1例を経験したので報告する.
索引用語
giant lipoma, duodenum, submucosal tumor
別刷請求先
塚本 好彦 〒658-0064 神戸市東灘区鴨子ヶ原1-5-16 甲南病院外科
受理年月日
2007年11月28日
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